Letter 医学:PTC124はナンセンス変異が原因で起こる遺伝性疾患を標的とする 2007年5月3日 Nature 447, 7140 doi: 10.1038/nature05756 ナンセンス変異は翻訳を中途で終止させる変異で、ほとんどの遺伝病の症例について、5〜70%の範囲でこれが原因となっている。ナンセンス変異による嚢胞性繊維症の研究から、特定のタンパク質の合成を正常レベルの1%以下から5%程度にまで促進すれば、病状の大幅な軽減や、主症状の消失が起こることがわかった。我々は、翻訳の中途終止を抑えられる薬剤の探索中に、新規化合物PTC124がリボソームに中途終止コドンを選択的に読み飛ばさせるが、正常な終止コドンは読み飛ばさせないことを突き止めた。ナンセンスコドンを含むレポーター遺伝子を使って最適化したPTC124の働きにより、ジストロフィンのナンセンス対立遺伝子を発現するヒトとmdxマウス由来の初代培養筋細胞ではジストロフィン生産が促進され、mdxマウスでは、投薬開始後2〜8週以内に横紋筋の機能が回復した。PTC124は、ナンセンス変異抑制に必要な量を超えた濃度で動物の血漿中に存在しても、耐容性は良好である。PTC124の中途終止コドンに対する選択性、詳細に解明された活性プロファイル、経口投与時の生物学的利用能、薬理学的特性から考えて、この薬は治療法の選択肢が限られているか、あるいは全くない多数の遺伝病の治療に幅広く使える可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る