Letter 宇宙:火星における最近のアルベドの変化による全球温暖化と気候強制力 2007年4月5日 Nature 446, 7136 doi: 10.1038/nature05718 火星の変化の様子は、初めは手描きのスケッチで、後に写真によって数百年にわたって追跡されてきた。この歴史的な記録により、多くの古典的なアルベドのパターンは、時間とともに変化することがずっと以前から知られている。火星表面のアルベドの数十年間にわたる変化は一般的に、表面における少量の比較的明るい塵の消失と堆積が原因であるとされている。表面の広い帯状の領域(最大で5,600万km2)が、10パーセント以上暗く、あるいは明るくなったことが観測されてきた。しかし、これらのアルベドの変化が、風の循環や塵の輸送、そしてこれらの過程と火星の気候との間のフィードバックにどのように影響を及ぼすのかについては明らかでない。本論文では、火星の大気大循環モデルによると、観測されたアルベドの経年変動が火星の環境に強く影響を及ぼしていると予測されることを報告する。モデルからは、近年暗くなった領域では風応力が強まり、明るくなった領域では弱まっており、アルベドの変化によって風が強まり、その風によってアルベドが変化するという正のフィードバックシステムを形成していることが示される。シミュレーションはまた、表面大気温度のおよそ0.65Kの上昇という正味の年間全球温暖化により、塵旋風発生の可能性が増大し、塵の巻き上げが強まることも示している。風応力と塵旋風との両方による全球での塵の巻き上げの増加は、大規模な砂塵嵐のきっかけとなる機構に影響を及ぼす可能性がある。この砂塵嵐は火星特有で、ほとんど解明されていない。さらに、南半球の高緯度での夏期の大気温度について予測された上昇は、過去4火星年の間に南極の残氷で観測されている、急速で着実な氷崖の後退の一因と考えられる。我々の結果は、既知のアルベドの変化が、火星の最近の気候変動と大規模な気象パターンに影響を与えることを示唆している。したがって、アルベドの変動は、大気および気候に関する将来の研究のために必要不可欠な要素である。 Full Text PDF 目次へ戻る