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細胞:Mycの欠失は小腸のApc異常を救済する

Nature 446, 7136 doi: 10.1038/nature05674

APC遺伝子はAPC(adenomatous polyposis coli;大腸腺腫症)癌抑制タンパク質をコードする遺伝子で、この遺伝子の生殖系列での変異は、家族性大腸腺腫症(FAP)という常染色体性の腸癌症候群の特徴である。またAPCの不活性化は、散発性結腸直腸癌でも発症初期の重要な変化とされており、この活性喪失によりβ-カテニン-Tcf4転写複合体が構成的に活性化される。原癌遺伝子c-MycがWnt経路の標的になっていることは、in vitroでは大腸癌細胞で、in vivoでは正常な腺窩で、またAPC遺伝子のin vivoでの欠失により急激に形質転換した腸上皮細胞で明らかにされているが、その意味するところは不明であった。そこで、Apc欠失後の腸内でMycが果たす役割を明らかにするために、マウス成体の小腸でApcMycを同時に欠失させた。本論文では、Apcの欠失によって生じる異常な細胞分化や移動、増殖やアポトーシスの異常という表現型が、Mycの喪失によって救済されることを明らかにする。注目すべきことに、この救済は核内β-カテニンが大量に存在しても起こる。アレイ解析により、Apc喪失の後に起こるWnt標的遺伝子の活性化の大半にMycが必要なことがわかった。これらのデータは、Apc喪失後の異常増殖初期に、Mycが重要なメディエーターとしてかかわることを実証している。

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