Letter 物理:ランタニド収縮と重希土類元素の磁性 2007年4月5日 Nature 446, 7136 doi: 10.1038/nature05668 重希土類元素は六方最密構造(h.c.p.)の結晶を作り、4f電子の数が異なるのみでそれ以外は共通の外殻電子配位を共有する。これら化学的に不活性な4f電子は 局所的な磁気モーメントを生じ、磁気モーメントは伝導電子の関与する間接交換相互作用を介して結合する。これから多種多様な磁性構造が形成されるが、その周期性はしばしば基礎にある結晶格子と適合しない。こうした不適合な秩序は、占有・非占有電子状態を分ける運動量空間の面(フェルミ面)の、「網状の」トポロジーと関連している。重希土類元素でのこの面の形状、したがって磁性構造は、h.c.p.格子の平面間距離cと面内原子間距離aとの軸比に依存することが知られている。しかしこの問題の理論的解明は、完全なものからは程遠い。我々は、ガドリニウムをすべての重希土類元素の原型として用い、統一的な磁性相図を作成した。これは、重希土類元素の磁性構造と格子パラメーターを明確に結びつける。我々は、軸比c/aの重要性を確認したことに加え、原子単位胞の体積も磁気的性質を決める上で別個の独特な役割を果たしていることを見いだした。すなわち、原子番号が増すにつれ強磁性から不適合な秩序に向かう傾向は、同時にみられる単位胞体積の減少と関連していることがわかった。この体積の減少はいわゆる「ランタニド収縮」のために起こる。これは、遮蔽能力が不完全な4f軌道に電子が加わると有効核電荷が増し、それに応じてイオン半径が収縮する現象である。 Full Text PDF 目次へ戻る