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腫瘍:サイトカインにより活性化された核内IKKαはMaspinを抑制することで前立腺癌の転移を制御する

Nature 446, 7136 doi: 10.1038/nature05656

炎症はNF-κB依存性の機構により腫瘍の進行を促す。またNF-κBは、上皮-間葉転換(epithelial-mesenchymal transition)を介して転移発生を促進するとも考えられていた。しかし、転移と炎症が機構の上でどのように関連しているかについては明らかではない。我々は以前に、RANK(receptor activator of NF-κB)/TNFRSF11Aによって活性化されたIKKα(IκB kinase α)が妊娠中の乳腺上皮の増殖に関与していることを明らかにした。乳腺上皮と前立腺上皮には類似性があることから、我々は、前立腺癌やその進行におけるIKKαの関与について検討した。今回我々は、SV40 T抗原を前立腺上皮に発現するTRAMPマウスで、IKKαの活性化を阻害する変異が前立腺癌(CaP)の増殖を遅らせ、転移の発生を抑制することを示す。転移抑制因子であるMaspinの発現レベルの上昇と相関して転移は抑制され、Maspinの発現を抑えることで転移活性は回復した。RANKリガンド(RANKL/TNFSF11)によるIKKαの活性化は前立腺上皮細胞におけるMaspinの発現を阻害するが、Maspinの転写抑制には活性化したIKKαの核移行が必要である。マウスやヒトの前立腺癌では、核内の活性化型IKKαの量は、転移の進行や、Maspinの発現レベルの低下、RANKLを発現する炎症性細胞の前立腺腫瘍内浸潤と相関関係を示す。我々は、腫瘍内に浸潤したRANKL発現細胞が核内IKKαの活性化とMaspinの転写阻害を引き起こすことにより、転移表現型を促進すると考える。

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