Letter

免疫:セマフォリン7Aはα1β1 インテグリンを介してT細胞による炎症反応を惹起する

Nature 446, 7136 doi: 10.1038/nature05652

セマフォリンは、成長中の神経軸索が適切な標的を見いだしてシナプスを形成するのを助ける神経ガイダンス因子である。しかしこれまでの研究から、セマフォリンが個体の発生過程だけでなく、免疫応答の制御にも関与することが示唆されている。セマフォリン7A(Sema7A、CD108としても知られる)は、グリコシルホスファチジルイノシトール結合型のセマフォリンであり、β1-インテグリン受容体を介して神経軸索の成長を促進し、外側嗅索形成に寄与することが知られている。Sema7Aはヒトの単球を刺激することが示されている一方で、T細胞応答の負の調節因子としての機能も報告されている。そのため、免疫系におけるSema7Aの正確な機能はいまだに不明である。本論文では、活性化T細胞上に発現するSema7Aが、免疫シナプスの構成要素として、単球およびマクロファージにおけるサイトカイン産生をα1β1インテグリン(very late antigen-1としても知られる)を介して刺激し、炎症性免疫応答のエフェクター相において極めて重要であることを示す。Sema7A欠損(Sema7a-/-)マウスでは、接触性過敏反応および実験的自己免疫性脳脊髄炎などの細胞性免疫応答が不全である。Sema7a-/-マウスでも、サイトカインを産生する抗原特異的なエフェクターT細胞は、正常に分化して抗原投与部位に移動する。しかし、Sema7a-/- T細胞を抗原投与部位に直接注入しても、接触性過敏反応は誘発されない。したがって、Sema7Aとα1β1インテグリンとの相互作用は、炎症部位において非常に重要である。これらの知見は、Sema7AがT細胞を介した炎症反応のエフェクター分子であることを示すだけでなく、インテグリンを介した新たな免疫調節の機序を明らかにするものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度