Letter 発生:神経堤の進化に基づくヌタウナギの発生学 2007年4月5日 Nature 446, 7136 doi: 10.1038/nature05633 顎も脊柱も持たないヌタウナギは、進化上、脊椎動物がそのボディープランを真に獲得する上で重要な系統的位置を占めるため、長らく強い関心の的であった。しかし、比較的よく解析されている無顎類のヤツメウナギとは異なり、ヌタウナギの発生についてはあまり知られておらず、初期胚期の解析も進まなかったことから、神経堤の進化に関連した根本的な疑問など、系統発生学上の重要な問題を解く試みは成功していなかった。本研究では、ヌタウナギ(Eptatretus burgeri)の複数の咽頭胚から得られた最初の所見を報告する。まず、神経堤細胞と目される細胞の組織学的な証拠を示す。これらの細胞は、魚類や両生類の神経堤細胞によく似た経路に沿って移動する、脱上皮化した細胞として現れる。さらに、Pax6、Pax3/7、SoxEa、Sox9の相同遺伝子を始めとしたいくつかの制御遺伝子を単離し、その発現を明らかにした結果、ヌタウナギの神経堤が脊椎動物と共通した分子機構によって特異化されることが示唆された。本研究の結果から、神経堤は脊椎動物の共通祖先において、脱上皮化し移動する細胞集団として既に出現していたと考えられる。我々は、ヌタウナギの古典発生学的および分子発生学的研究により、脊椎動物の進化史を明らかにするための新たな方法が今後開発されるだろうと考えている。 Full Text PDF 目次へ戻る