Letter 嗅覚:ショウジョウバエの性フェロモンへの行動反応には1種類の嗅覚ニューロンが関与する 2007年3月29日 Nature 446, 7135 doi: 10.1038/nature05672 多くの動物と同様に、昆虫も性フェロモンを用いて生殖行動を協調させている。揮発性のフェロモンは、嗅覚受容ニューロン(ORN)に発現されている嗅覚受容体によって検出される。果実の匂いは複数の種類のORNを活性化するのが一般的だが、フェロモンは1種類の専用のORNを介して作用すると考えられている。このようなモデルでは、そうした1種類のORNを活性化するだけで適切な行動反応が引き起こされるはずだと予測される。今回我々は、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の雄特異的フェロモンであるcVA(11-cis-vaccenyl acetate)が受容体Or67dを介して作用し、雌雄両方の交尾行動を調節していることを明らかにした。Or67dをもたない変異体の雄は他の雄に求愛するという異常な行動をとるのに対し、同じ変異をもつ雌は雄の求愛をあまり受け容れなくなる。これらのデータは、cVAが雄と雌で逆の作用をもつこと、すなわち雄では交尾行動を抑制するが、雌では交尾行動を促進することを示している。Or67dをガのフェロモン受容体で置換すると、ORNは対応するガのフェロモンに感受性となる。このようなハエでは、cVAに対する正常な応答に類似した行動反応が、ガのフェロモンによって引き起こされる。したがって、ショウジョウバエの性フェロモンcVAに対する行動反応を引き起こすには、1種類のORNの活性化が必要十分条件である。 Full Text PDF 目次へ戻る