Letter 生化学:酵母の極性タンパク質Sro7の構造から、SNARE調節機構が明らかになる 2007年3月29日 Nature 446, 7135 doi: 10.1038/nature05635 偏りのあるエキソサイトーシス(polarized exocytosis)を起こすには、細胞膜上の特異的部位で分泌小胞の融合を行うエキソサイトーシス装置とアクチン細胞骨格との協調が必要である。融合には、小胞に結合したR-SNAREタンパク質と細胞膜のQa、Qb、QcSNAREタンパク質とが複合体を形成しなければならない。lethal giant larvaeファミリーのタンパク質には後生動物のlethal giant larvaeやトモシン、酵母のSro7などがあり、Q-SNAREと相互作用して偏りのあるエキソサイトーシスの重要な調節因子として働くことが明らかになりつつある。Sro7の結晶構造から、7枚の羽根のWD40 β-プロペラ構造2個の後に60残基の長さの「尾部」があり、これがアミノ末端側のプロペラ構造の表面に結合していることが明らかになった。Sro7の尾部を欠失させるとSec9のQbc SNARE領域との結合が可能になり、この結合はSNARE複合体の形成を阻害する。Sec9のN末端ドメインも、Sro7との間に親和性の高い2番目の結合を形成し、これは尾部には影響されない。これらの結果は、Sro7が、尾部を制御する因子との結合を介して働く、エキソサイトーシスのアロステリック調節体であることを示唆している。配列アラインメントから、lethal giant larvaeとトモシンがSro7に似た2個のβ-プロペラ型折りたたみ構造をもつことが示唆されるが、調節性尾部ももつのはトモシンだけらしい。 Full Text PDF 目次へ戻る