Letter 免疫:上皮細胞に固有のIKK-βの発現は腸の免疫恒常性を調節する 2007年3月29日 Nature 446, 7135 doi: 10.1038/nature05590 腸上皮細胞(IEC)は、胃腸(GI)管において片利共生微生物や病原性微生物に対する主要な物理的障壁として働くが、IECが感染に対する免疫の開始やその調節に与える影響は明らかになっていない。本論文では、IECに固有のIκBキナーゼ(IKK)-β依存的な遺伝子発現が、GI管における樹状細胞とCD4+T細胞の応答の重要な調節要素であることを示す。IEC特異的にIKK-βを欠失させたマウスでは、上皮細胞のみが産生するサイトカインであるthymic stromal lymphopoietinの腸での発現が減少し、また、腸に寄生する鞭虫(Trichuris)の感染後、病原体特異的なCD4+ 2型ヘルパーT(TH2)細胞応答を発揮できず、感染を根絶できないことがわかった。さらに、これらのマウスでは、樹状細胞に由来するインターロイキン-12/23p40や腫瘍壊死因子-α産生の異常増加、CD4+T細胞に由来するインターフェロン-γおよびインターロイキン-17のレベルの上昇、および激しい腸炎症の発症が認められる。鞭虫感染過程で炎症促進性サイトカインを阻害すると、CD4+TH2細胞依存的な免疫の促進には、IECでのIKK-βが必要でなくなり、このことから、樹状細胞の組織特異的な調節やGI管での1型サイトカインの産生制限にIECが重要な機能を担うことが明らかになった。これらの結果は、腸上皮におけるIKK-β依存的な遺伝子発現のバランスが、粘膜免疫を促進し慢性炎症を抑制することによって保たれる腸の免疫恒常性に重要であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る