Letter 発生:ショウジョウバエ(Drosophila)幼虫における後部シグナルセンターによる血球恒常性の制御 2007年3月15日 Nature 446, 7133 doi: 10.1038/nature05650 ショウジョウバエの血球は、特殊化した造血器官であるリンパ腺に由来する。幼虫の造血前駆細胞(血球前駆細胞)からは、循環する3種類の血球であるプラズマ細胞、クリスタル細胞、およびラメロ細胞(lamellocyte)が生じる。ラメロ細胞は大きな異物を封入する役割をもち、スズメバチによる寄生などの特定の免疫的脅威に応答した場合にのみ分化する。本論文では、後部シグナルセンター(posterior signaling center、PSC)と名づけたシグナル伝達細胞の小クラスターが、多能性をもつ血球前駆細胞と分化する血球との間のバランスを制御し、寄生後にみられる大量のラメロ細胞の分化に必須であることを明らかにする。PSCと造血前駆細胞との間の情報交換は、哺乳類早期B細胞因子のショウジョウバエ・オーソログであるCollier(Col)のPSCで制限される発現に厳密に依存している。PSC細胞は、非細胞自律的に作用して、血球前駆細胞におけるJAK/STATシグナル伝達活性を維持し、血球の未熟な分化を防止する。PSCからのSerrateを介したNotchシグナル伝達は、colの転写を正常レベルに維持するために必要である。PSCが血球の恒常性の制御に果たす重要な役割は、脊椎動物における造血前駆細胞と微小環境との間の相互作用に似ていることから、この結果は、造血および細胞の自然免疫の進化を研究するためのモデル系としてのショウジョウバエの価値を強調するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る