Article 進化:新発見の正三錐歯目哺乳類と、初期哺乳類における進化的発達 2007年3月15日 Nature 446, 7133 doi: 10.1038/nature05627 爬虫類の下顎から中耳の3つの耳小骨が分離したことは、現生哺乳類における重要な革新である。今回我々は、冠哺乳類(現生哺乳類に至る系統)に属し、この移行を如実に表す中生代の正三錐歯類について記載報告する。この哺乳類の耳小骨は、骨化したメッケル軟骨を介して下顎に連結している。この耳と顎の連結構造は、現生単孔類(卵を産む哺乳類)および有胎盤哺乳類の胚にみられるパターンに類似しているが、この正三錐歯類の成体に保持された幼形進化的な特徴であり、その点は単孔類や有胎盤類の成体と異なっている。このことは、この前哺乳類的な祖先状態への逆行(もしくはその保持)が、正三錐歯目における発生タイミングの違い(異時性)と関係していることを示唆している。この新発見の正三錐歯類からは、初期哺乳類の間で胸腰移行部や未融合の腰肋において脊椎の特徴に成因的相同(ホモプラシー)があることを示す、さらなる証拠が得られる。これが、現生哺乳類の脊椎にみられるホメオボックス遺伝子によるパターン形成作用に類似していることから、初期哺乳類における脊椎形質の成因的相同性をもった進化を説明するには、Hox遺伝子によるパターン形成の作用を想定するのが妥当であろう。 Full Text PDF 目次へ戻る