Letter 植物:ヒダテラ科植物は被子植物系統樹の根元付近から分枝する新たな系統に属する 2007年3月15日 Nature 446, 7133 doi: 10.1038/nature05612 被子植物とそれ以外の種子植物との類縁関係に関してはいまだに諸説があるが、現存する最も古い被子植物系統の分枝の特定には大きな進展があった。これは、ニューカレドニア産の低木であるアンボレラ(Amborella trichopoda)、スイレン目、および木本のAustrobaileyales目が、このクレード(被子植物)の大きな適応放散が起こる前に分枝した系統からなる1つの原始的グレードを構成していることの発見による。こうした古い系統に注目して得られたこの知見により、被子植物の構造や生殖、生理、生態および分類に関する知識は書き改められた。原始的系統が新たに発見されれば、被子植物の最初の適応放散の再評価がさらに進むだろうが、約460科の被子植物のほぼすべてに関して分子的研究が行われていることから、それは考えにくい。本研究では、小型の水生植物からなる小規模な科で従来は単子葉植物と考えられていたヒダテラ科が、これまで認められていなかった、高度に変化した古い系統の被子植物であることを示す。ヒダテラ科の2属に関して色素体のさまざまな遺伝子および関連非コード領域を分子系統学的に解析することにより、この見過ごされてきた科がスイレン目の姉妹群であることがわかった。この予想外の結果は、核遺伝子のフィトクロームC(PHYC)から得た証拠、およびさまざまな形態学的特徴によってさらに裏づけられる。このことから、スイレン目は従来考えられていたよりも大きな系統の一部であって、その系統は水中環境で生育するため極端で多様な変化を遂げたものであることがわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る