Letter 腫瘍:フィンランドの癌家系で反復性にみられるPALB2の変異 2007年3月15日 Nature 446, 7133 doi: 10.1038/nature05609 BRCA1、BRCA2などの既知の感受性遺伝子で説明できるのは、検出できる乳癌の遺伝的素因の半分にも満たない。したがって、ほかの関連遺伝子はまだ発見されていない。最近、新たなBRCA2結合タンパク質であるPALB2が同定された。BRCA2とPALB2の会合は、特定の重要なDNA損傷応答機能にも、BRCA2の腫瘍抑制活性にも必須である。本論文で我々は、フィンランドでのPALB2の変異のスクリーニングにより、先祖が一致する対照集団に比べて家族性の乳癌患者では、c.1592delTというフレームシフト変異が有意に高い頻度で存在することを示す。この変異が原因でつくられる短縮型PALB2タンパク質はBRCA2結合能をほとんど保持しておらず、DNA相同組み換えやクロスリンク修復を行えなかった。さらに、任意抽出の乳癌患者を対象にc.1592delT変異のスクリーニングを行ったところ、対照群と比較しておよそ4倍も高い割合でこの変異が認められた。この変異をもった任意抽出の患者の大部分は、家族性の病気進行パターンを示した。さらに、c.1592delT短縮変異対立遺伝子が分離を示す、多世代にわたる前立腺癌家系も1つ見つかった。これらの結果は、PALB2が乳癌の感受性遺伝子であり、相応の変異型では家族性の前立腺癌の発生につながる可能性もあることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る