Letter 光学:ナノ光学場の適応サブ波長制御 2007年3月15日 Nature 446, 7133 doi: 10.1038/nature05595 フェムト秒レーザーパルスの位相と振幅の適応整形が、干渉現象に指定された操作を行う効率よいツールへと発展し、さまざまな量子力学系のコヒーレント制御が可能になってきた。フェムト秒、さらにはアト秒領域の時間分解能は既に実証されているが、空間分解能は回折によって光場の波長のほぼ半分(すなわち、数百ナノメートル)に制限されている。理論的には、コヒーレント制御の空間限界は、ナノ構造への光照射によって克服できることが明らかになっている。つまり空間的な近接場分布は、照射するレーザーパルスの線形チャープに依存することが示されている。このアイデアを適応制御に拡張し、学習アルゴリズムによる多変数パルス整形と組み合わせて、利用者が指定する光近接場分布を最適かつ柔軟なやり方で生成できることが実証されている。レーザーパルスの偏光を整形すれば、特に効率が高く用途の広いナノ光学操作法が得られる。本論文では、銀ナノ構造近くの光近接場をフェムト秒レーザーパルスの適応偏光整形によって調整し、次に横方向の近接場分布を2光子光電子放出電子分光法により調べて、この概念の実現可能性を実験によって実証した。このような適応制御とナノ光学との組み合わせで、我々は、ナノメートルスケールで電磁場強度のサブ波長の動的局在を実現し、従来型の光学の空間限界を克服した。理論上の提案をこのように実験で実現したことから、コヒーレント制御、ナノ光学、非線形分光法などの空間あるいは時間分解能で光学研究を行う研究分野において多くの展望が開ける。 Full Text PDF 目次へ戻る