Letter 環境:生物多様性ホットスポットの植物相がもつ進化の潜在能力を保全する 2007年2月15日 Nature 445, 7129 doi: 10.1038/nature05587 保全生物学に課せられた最大級の難問の1つは、保全努力の優先順位決定法を保全計画立案者に提供することである。生物多様性ホットスポットにはこれまで多くの配慮がなされてきた。しかし、地球規模の環境変化に直面している現在、進化過程の保全も優先課題の1つとして認められている。系統的多様性(PD)とは、ひとそろいの分類群をつなぐ進化経路の長さを測る生物多様性の指標である。したがってPDは、「特徴の多様性」の蓄積を最大化する分類群セットを特定するものである。しかし最近の諸研究では、分類群の豊富さがPDのよい代理指標になると結論されている。本研究では、生物多様性ホットスポットであることが明らかな南アフリカ共和国ケープ地区の植物相をバイオーム規模で系統発生解析することにより、分類群の豊富さとPDとを切り離すべきであることを示す。そして、両者の切り離しが保全計画の立案に対して現実的な重要性をもつことを実証する。また、薬用および経済的な植物利用に関するデータベースを用い、ケープ地区ではPDの保護が特徴の多様性を保全するために最もよい戦略であることを示す。地球上の生物の絶えざる進化のためにも、社会の利益のためにも、PDを用いれば将来の選択肢を最大化するのに重要な諸地域を特定することができると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る