Letter 物理:メートルスケールのプラズマ航跡場加速器における42 GeV電子のエネルギー倍増 2007年2月15日 Nature 445, 7129 doi: 10.1038/nature05538 粒子物理学のエネルギーフロンティアは数兆電子ボルトであるが、この領域に到達可能な衝突型加速器(大型ハドロン衝突型加速器や国際線形加速器など)の建設には時間と多額の費用がかかる。したがって、粒子を高エネルギーに加速する新しい方法を探索することは重要である。プラズマを用いる加速器は、従来の衝突型加速器で用いられるものより数桁大きな加速場を作り出せるため、とりわけ魅力的である。これらの加速器では、ドライブビーム(レーザーまたは粒子)によってプラズマ波(航跡場)を発生させ、これが荷電粒子を加速する。プラズマ加速器が究極的な実用性をもつかどうかは、相当な距離にわたって超高加速場を持続し大きなエネルギー利得を実現できるかにかかっている。今回我々は、スタンフォード線形加速器センター(SLAC)で42 GeV電子ビームによって駆動される長さ85 cmのプラズマ航跡場加速器で42 GeVを超えるエネルギー利得が得られたことを示す。この結果は、3次元PIC(particle-in-cell)シミュレーションの予測と非常によく一致している。ほとんどのビーム電子はプラズマ波にエネルギーを渡してしまうが、同じビームパルスの後方の一部の電子はおよそ52 GVm-1の電界で加速される。これにより電子のエネルギーが効果的に倍増し、入射バンチの一部の電子について、長さ3 kmのSLAC加速器のエネルギー利得が1 m未満で得られる。これは、高エネルギー物理学に応用できるプラズマ加速器の実現可能性の実証に向けた重要なステップである。 Full Text PDF 目次へ戻る