Letter 地球:地球の「ハム」は大陸棚上の海洋波が駆動している 2007年2月15日 Nature 445, 7129 doi: 10.1038/nature05536 10 mHz近傍の周波数をもつ地球の正規モードの地震波は、大地震が起きていなくてもほぼ定常的なレベルで励起されていることが観測から明らかになっている。この背景レベルの励起は地球の「ハム」とよばれており、マグニチュード5.75の地震による最大限の励起に相当する。その起源については議論が続いているが、多くの研究が、太陽の乱流による太陽振動の強制に類似した、大気乱流による強制に起因すると考えている。また、乱流は火星の惑星振動モードを検出可能な大きさまで励起できる可能性があると予測している研究もある。しかしながら、最近の地球における観測は主要な励起源が海洋下にあることを示唆している。本論文では、乱流は非常に弱い励起源であり、浅海の大陸棚における海洋波の相互作用のほうが地球のハムを駆動していることを示す。海洋波は表面境界条件の4次の非線形性により結合して地震波になる。この非線形性によって、同じような周波数をもつゆっくりと伝播する海洋波の対が結合して、ほぼ倍の周波数の大きな位相速度をもつ成分ができる。これは、スペクトルの140 mHz付近に卓越周波数をもつよく知られた「脈動ピーク」を海洋波が生成する過程であるが、ハムの周波数付近では、そのメカニズムは周波数と深さ依存性の点で大きく異なっている。海洋波と地震モードの結合の計算結果は、観測された地震波のスペクトルを再現した。海洋波データと地震データとの時間相関を測定した結果から、大気乱流ではなく、海洋波が地球のモードを駆動していることが確認された。 Full Text PDF 目次へ戻る