Letter 化学:超低消費電力有機コンプリメンタリー回路 2007年2月15日 Nature 445, 7129 doi: 10.1038/nature05533 低温処理可能な有機半導体を使用してガラスやプラスチックなどの任意基板上にトランジスター、回路、ディスプレイおよびセンサーを実装できれば、さまざまな電子製品に莫大な可能性がもたらされる。特に関心が高いのは、小型電池や近傍界高周波結合で動作可能な携帯機器である。既存の方法の主な問題点は従来の有機回路の消費電力が大きいことであり、これにより電池駆動式の用途は不可能ではないにしても、扱いにくいものとなる。今回我々は、自己集合単分子層ゲート誘電体と空気中で安定な2種類の異なる分子半導体(ペンタセンとヘキサデカフルオロ銅フタロシアニン、F16CuPc)を使用した、消費電力の非常に低い有機回路を示す。単分子層誘電体を、パターニングされた金属ゲート上に室温で成長させ、高いゲートキャパシタンスと低いゲートリーク電流を実現するよう最適化した。コンプリメンタリー回路設計では、pチャネルとnチャネルの低電圧有機薄膜トランジスターを組み合わせることによって、静止電流が論理ゲートあたり100 pA未満まで減少した。我々は、供給電圧1.5〜3 Vで動作し、静止消費電力が論理ゲートあたり1 nW未満であるコンプリメンタリーインバーター、NANDゲート、およびリングオシレーターを作製した。このように、これらの有機回路は動作範囲の広いRFIDタグに加えて、携帯ディスプレイデバイスや大面積センサネットワークなどの電池式システムにも適している。 Full Text PDF 目次へ戻る