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細胞:ショウジョウバエのTCTPはdRheb GTPアーゼの調節を介して成長と増殖に重要な役割を果たす

Nature 445, 7129 doi: 10.1038/nature05528

臓器の形成の際には、細胞の成長と増殖が協調して起こる。この過程の調節がうまくいかないと、癌などの病的状態に結びつく。結節性硬化症(TSC)は、癌抑制遺伝子TSC1とTSC2のいずれかの変異が原因で起こる、良性腫瘍が多発する症候群である。ショウジョウバエなどでの研究により、TSCシグナル伝達経路は増殖制御にかかわる保存された経路であることが明らかになった。TSC経路の活性化は、Rasスーパーファミリーに属するGTPアーゼであるRheb(Ras homologue enriched in brain)を介して起こる。RhebはTSC2の直接の標的で、TSC2がもつGTPアーゼ活性化タンパク質活性によって負に調節される。しかし、Rhebの正の調節に必要な分子は同定されていない。本論文では、TCTP(translationally controlled tumour protein)という保存されたタンパク質が、TSC-Rheb経路に不可欠な成分であることを明らかにする。ショウジョウバエでTCTP(dTCTP)レベルを低下させると、細胞が小さくなり、細胞数が減り、臓器が小型になる。これは、ショウジョウバエRheb(dRheb)変異体の表現型に似ている。dTCTPはTsc1やdRhebよりも遺伝的に上位だが、dRhebの下流にあってその標的となるdS6kよりも上流で作用する。dTCTPは、in vivoでもin vitroでもdRhebに直接結合して、グアニンヌクレオチド交換活性を示す。ヒトTCTP(hTCTP)もdTCTPと同様の生化学的性質をもち、dTCTP変異体の表現型を救済することから、TSC経路でのTCTPの機能は進化上保存されていることが示唆される。今回の研究で、TCTPはRhebの直接の調節因子と同定され、また、TSC症候群の治療の標的になる可能性があることがわかった。

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