Article 進化:ヒトの血縁感知機構の基本構造 2007年2月15日 Nature 445, 7129 doi: 10.1038/nature05510 遺伝的近縁度を見極める機構は多くの種で進化しているが、ヒトにこうした機構があるかどうかについては、いまだ論争中である。今回我々は、兄弟姉妹から得たデータに基づき、血縁感知機構がヒトに存在するという仮説を支持する3系統の証拠を報告する。これらの機構は、顔見知りの相手それぞれに関して、自身と相手との対について遺伝的近縁度の推定値に相当する単一調整変数(血縁指標)を計算することにより機能する。この系で使われているキュー(合図)の特定は、近縁度のキューと考えられるものに対する各被験者の経験を、系が進化させた機能に関連する3つの出力(兄弟姉妹間の利他行動、自らの兄弟姉妹と自身との近親婚に対する抵抗感、第三者の兄弟姉妹間の近親婚に対する道徳的反感)の変動と定量的にマッチングさせることで行った。予想どおり、ヒトの血縁感知系では血縁度を計算するために、世代にわたって有効とされる2種類のキューが用いられている。それらは、顔見知りの相手が出生後に自身の生物学的な母親と一緒に過ごして世話を受けていたかどうか、そして、その相手と自身との同居期間である。 Full Text PDF 目次へ戻る