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腫瘍:p53の機能回復はin vivoで腫瘍の退縮を惹起する

Nature 445, 7128 doi: 10.1038/nature05541

腫瘍発生は、がん遺伝子の活性化とがん抑制遺伝子の不活化を必要とする多段階の過程である。ヒトがんのマウスモデルで、腫瘍維持には、優性に作用するがん遺伝子(HrasKrasMycなど)の継続的な発現がしばしば必要であることが最近立証された。このような表現型をがん遺伝子依存(oncogene addiction)という。この概念は、BCR-ABL、c-KIT、EGFRなどのがんタンパク質の機能を特異的に阻害する活性を有する抗がん剤の開発により、臨床的にその妥当性が示されている。そのため、腫瘍の維持に必要とされる新たな遺伝子変異を同定することによって、新たながん治療のための臨床的に有用な標的が見つかると考えられる。p53の機能喪失は、ヒトのがんに共通してみられる特徴であるが、p53やその他の腫瘍抑制経路の持続的な不活化が腫瘍の維持に必要かどうかは明らかでない。我々はこの問題を検討するために、Cre-loxPを使って、in vivoで一時的に腫瘍抑圧遺伝子の発現を調節する方法を開発した。本論文では、内在性p53の発現回復により、正常組織に影響を与えることなくマウスの自発性リンパ腫および肉腫が退縮することを示す。腫瘍退縮の機序は腫瘍のタイプによって異なり、p53の機能回復により主として起こるのは、リンパ腫ではアポトーシスであり、肉腫では細胞老化の特徴を有する細胞増殖抑制であった。これらの結果から、p53の薬理学的再活性化によるヒトがんの治療の試みは実効的だろうと考えられる。

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