Letter

物性:コバルト酸ナトリウムにおけるナトリウムイオンのパターニングおよび電子の制御

Nature 445, 7128 doi: 10.1038/nature05531

コバルト酸ナトリウム(NaxCoO2)は、熱電分野に応用できる可能性があり、磁気特性と超伝導特性の間に強い相互作用がある点が銅酸化物超伝導体の物理的性質とよく似ているため、科学的に極めて興味深い材料となっている。インターカレーション層中のナトリウムの密度xは電気化学的に変化させることができ、これによりCo三角格子層上の伝導電子の数を直接変化させることができる。最近の電子線回折の測定結果から、濃度の関数としてさまざまに変化するNa+イオンパターンが明らかになっている。今回我々は、数値シミュレーションに裏づけられた単結晶中性子回折によって、これらのイオンの長距離3次元超格子構造を明らかにする。ナトリウムの秩序化とそれに伴う歪み場が純粋な静電気学に支配されていること、並びにその組織化原理は、いくつかの単純な分数充填率において長距離秩序を作る電荷液滴(ドロップレット)の安定化であることを示す。我々の結果は、ナトリウム超格子構造から生じる静電ポテンシャルを考慮に入れたハバードハミルトニアンに関して電子的特性を理解するよい出発点となる。得られたCo層のポテンシャル井戸の深さは、単一粒子のホッピング運動エネルギーより大きく、結果として正孔は最低ポテンシャル領域を占めやすくなる。したがってNa+イオンのパターニングは、輸送特性および磁気特性において決定的な役割を果たすと結論づけられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度