Letter

気候:始新世から漸新世への遷移期における地球の寒冷化と結びついたチベット高原の乾燥化

Nature 445, 7128 doi: 10.1038/nature05516

大陸の乾燥化とアジアのモンスーンの強化は一般に、インド亜大陸とアジア大陸の衝突に伴うチベット高原の隆起と陸海の再分配に起因するとされている。一方、いくつかの研究では、アジアの環境における過去の変化は、地球規模の気候によって主に支配されていることが示唆されている。インドとアジアの大陸衝突の始まり以来、最も大きな気候イベントは、始新世から漸新世への遷移、つまり3,400万年前における南極大陸での氷河作用の開始に伴う急激な冷却ステップである。しかし、この地球規模のイベントがアジア環境に及ぼす作用は、ほとんど解明されていない。本論文では、磁気層序とサイクル層序を使用して、チベット高原の北東部におけるプラーヤの湖底堆積物の消失が示す乾燥化が、始新世から漸新世への遷移期とちょうど同時期に起こったことを示す。今回の知見から、この地球規模の遷移が古生物学的および古環境的変化により記録されたアジア大陸の著しい乾燥化と寒冷化に結びついていることが示唆され、地球規模の寒冷化と始新世から漸新世への遷移が関連しているという考えが裏づけられる。堆積物記録の年代を十分正確に決定することによって、地球規模の気候と地殻変動を区別でき、大陸アジアの環境に地球規模の気候が大きく寄与していることが明らかになった。

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