Letter 細胞:有害な化合物は、システインの共有結合性修飾によってTRPA1を活性化する 2007年2月1日 Nature 445, 7127 doi: 10.1038/nature05544 神経系は、痛みシグナルを伝達する侵害受容ニューロンを介して、末梢の損傷を感知する。TRPA1はTRP(Transient Receptor Potential)イオンチャネルファミリーに属し、侵害受容ニューロンで発現されており、低温、天然の刺激性化合物、環境中の刺激物など、さまざまな有害刺激によって活性化される。だが、TRPA1がこのように多様な刺激によって活性化される仕組みは解明されていない。我々が観察したところでは、TRPA1を活性化することが知られている化合物の大半は、システイン残基に共有結合できる性質をもつ。本論文では、クリックケミストリーの手法を使い、TRPA1を活性化する2つの化合物、カラシ油と桂皮アルデヒドの誘導体が、マウスTRPA1と共有結合することを明らかにした。ヨードアセトアミド(IA)や2-アミノエチルメタンチオスルホン酸(MTSEA)のような、構造の似ていないシステイン修飾試薬もTRPA1に結合して活性化する。質量分析により、細胞質TRPA1中のIAによって標識される14個のシステイン残基を同定し、そのうちの3つがチャネルの正常な機能に必要なことを明らかにした。切り取った膜パッチでは、反応性化合物によってTRPA1電流が活性化され、カルシウムを含まない溶液で化合物を洗い流した後、少なくとも10分間は活性化状態が維持された。また、ジスルフィド結合を形成するMTSEAによるTRPA1の活性化は、還元剤ジチオスレイトール(DTT)によって阻害された。これらのデータを総合すると、TRPA1の反応性システインの共有結合性修飾がチャネルの活性化を引き起こし、痛み経路を介して組織損傷の可能性を迅速に伝達することがわかる。 Full Text PDF 目次へ戻る