Letter 細胞:TPP1は繊毛虫TEBP-βの相同体であり、POT1と相互作用してテロメラーゼを動員する 2007年2月1日 Nature 445, 7127 doi: 10.1038/nature05469 テロメアの機能障害の結果として、染色体異常やDNA損傷応答、時にはがんさえも生じることがある。下等生物を用いた初期の研究は、テロメア長の維持とテロメア末端の保護に、テロメラーゼおよびテロメアタンパク質が果たす重要な役割を明らかにする助けとなった。繊毛虫Oxytricha novaでは、テロメアのG-突出末端はTEBPα/β ヘテロ二量体によって保護されている。ヒトのテロメアは3′末端にG突出末端を有する重複したテロメア反復配列をもつが、t-ループ構造をとるように折りたたまれているため、この部分がDNA切断部として認識されにくくなっているらしい。さらに、TEBPαの相同体で、テロメアの一本鎖DNA(ssDNA)に結合するPOT1は、複数のテロメアタンパク質(TPP1、TIN2、TRF1、TRF2、RAP1など)と会合して6個のタンパク質からなるテロソーム/shelterinなどのサブ複合体タンパク質を形成する。これらのテロメアタンパク質複合体は、続いてさまざまな経路を介し、テロメアインタラクトームを形成してテロメアを維持する。しかし、POT1を含むテロソームがテロメラーゼと連絡してテロメアを調節する機序については、いまだに不明である。本論文では、TPP1は哺乳類におけるTEBP-βの相同体であると推定され、アミノ末端に予測されたオリゴヌクレオチド/オリゴ糖結合(OB)折りたたみ構造をもつことを明らかにする。TPP1-POT1間の結合は、テロメアssDNAに対するPOT1の親和性を高めた。これに加え、TPP1のOB折りたたみ構造は、POT1-TPP1結合と同様に、ヒト細胞でのPOT1を介したテロメア長調節およびテロメア末端保護にとって非常に重要と考えられた。優性ネガティブ型TPP1の発現またはRNA干渉(RNAi)を用いてPOT1-TPP1間の相互作用を妨害すると、テロメア長が変化し、DNA損傷応答が生じた。さらに我々は、TPP1はTPP1-OB折りたたみに依存してテロメラーゼと結合し、テロメラーゼとテロソーム/shelterin複合体間に物理的な結びつきをもたらすという証拠を示す。今回の発見は、テロメアの維持におけるTPP1の極めて重要な役割を強調するものであり、TPP1とPOT1は一組になって機能し、テロメラーゼのテロメアDNAへの接近を正にも負にも制御することによりヒトのテロメアを保護する陰陽モデルであることを裏づけている。 Full Text PDF 目次へ戻る