Highlight 医学:がんの標的治療 2007年1月25日 Nature 445, 7126 doi: 10.1038/nature05474 ある種のチロシンキナーゼは多くのがんで過剰に活性化しており、白血病治療薬イマチニブなどのこの酵素の働きを阻害する薬物が治療に有効な場合がある。しかし、これらの薬物は、チロシンキナーゼの異常によって発生するすべてのがんに作用するわけではない。その理由らしきものが新たな研究により明らかになった。キナーゼであるHER2は、乳がんで過剰に活性化していることが多く、シグナルをまた別のファミリーメンバーであるHER3を介して伝達する。Serginaたちは、HER2の働きがキナーゼ阻害剤によって部分的に阻害されているような場合には、フィードバック機構によって活性をもつHER3が細胞膜中で増加し、そこでがん細胞増殖というシグナルが伝達され続けることを見いだした。したがって、HER2を完全に阻害し、HER3活性も低下させるもっと有効な阻害剤ならば、さらに有効ながん治療を行えると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る