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物理:アクチニドのα線による鉱物およびセラミックスの放射線損傷の定量化

Nature 445, 7124 doi: 10.1038/nature05425

世界中のさまざまな場所に保管されている核廃棄物および核物質には、強いα線を放出する核種が莫大な量含まれている。その中には、プルトニウム、またアメリシウムやキュリウムのような主要でないアクチニドがある。地層廃棄処分の準備にあたっては、使用済核燃料から分離されたアクチニドは、ガラスでなく鉱物系のセラミックスの中に固定すべきであるというのが大多数の見解である。これは、セラミックスの耐水性が極めて高く、放射線が漏れ出すような事故が起こる危険度が低いからである。しかし長い期間では、セラミックスの中で起こるα崩壊によって結晶構造がひどく破壊され、その耐久性が低下する。放射線損傷の累積効果の予測に際して対象となる基本的性質は、α崩壊1回につき永久に変位する原子の数である。現在ジルコン中でのこの数は、1,000〜2,000個/αと推定されている。本論文では、核磁気共鳴によるスピン計測実験から、放射線損傷を受けた天然ジルコン中では5,000原子/αに近い値が得られたことを報告する。高放射性の239Puジルコンに対して新たに行った核磁気共鳴測定では、照射線量が同じ場合には鉱物ジルコン中の238Uおよび232Thによって引き起こされるのと同程度の損傷がみられ、半減期あるいは担持レベル(線量率)の目立った影響はないことが示される。これらの測定に基づけば、当初に重量比10%の239Puを含むジルコンの結晶構造は、地層保管後わずか1,400年のうちに非晶質になってしまう(望ましい固定期間の尺度は250,000年というオーダーである)。これらの測定結果は、基本的な損傷現象を原子論的に解明する点に関して、アクチニドを含むセラミックスの長期にわたる構造耐久性を評価するための基礎を確立するものである。

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