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生理:ショウジョウバエの二酸化炭素感知は2種類の化学感覚受容体が仲介して行われる

Nature 445, 7123 doi: 10.1038/nature05466

マラリアを媒介するガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)などの吸血昆虫は、高度に特殊化した感受性の高い嗅覚系をもち、これを使って宿主の位置を特定する。特定は宿主が発する揮発性物質の検出と追跡により行われ、このような物質の中には二酸化炭素(CO2)も含まれる。CO2を感知するのはカの小顎鬚にある一群の嗅覚ニューロンで、遺伝学的研究を行いやすいキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の触角にもこれが存在する。しかし、この化学感覚CO2受容体分子の正体はわかっていなかった。本論文では、ショウジョウバエの幼虫と成虫の両方で、CO2反応性ニューロンが一対の化学感覚受容体Gr21aGr63aを同時に発現していることを明らかにする。また、Gr21aGr63aのガンビアハマダラカにおける相同体に当たるGPRGR22GPRGR24を同定し、カの小顎鬚でもこれが同時に発現されていることを明らかにした。ショウジョウバエの嗅覚系によるCO2の化学感知には、Gr21aGr63aだけで十分なことがわかった。Gr21aGr63aを異所発現させると、CO2感受性をもたない嗅覚ニューロンがCO2感受性を獲得したが、味覚受容体遺伝子ファミリーに属するこれら2つはどちらも単独ではこのような機能を示さなかった。Gr63aをもたないショウジョウバエ変異体は、電気生理学的にも行動的にもCO2に反応しなくなる。昆虫の嗅覚系のCO2受容体分子が明らかになったことで、この独特で重要な嗅覚経路をうまく使ったカの繁殖抑制戦略の開発が進む可能性がある。それによって、マラリアなどの昆虫が媒介するさまざまな病気の撲滅も世界中で進むかもしれない。

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