Letter 気候:熱帯収束帯が東アジアのモンスーンに与える影響 2007年1月4日 Nature 445, 7123 doi: 10.1038/nature05431 アジアやオーストラリアのモンスーンは、世界の人工のおよそ半分にあたる人々の社会経済活動に影響を与え、地球の気候システムの重要な要素となっている。東アジア域の降雨を伴う過去の夏季モンスーンの強さについては洞窟の堆積物などの記録を用いて再構築が可能であるが、冬季モンスーンについては水文学的な循環における特徴がないため、再構築が困難であることが示されていた。本論文では、中国南東部沿岸地域のLake Huguang Maarの堆積物における磁気特性とチタン含有量の過去16,000年にわたる高分解能の記録を示す。我々がこの記録を冬季モンスーンの風の強さの代理指標として用いたところ、ベーリング・アレレード温暖期に先立つ時期、ヤンガー・ドライアス期および完新世の中期から後期という期間中は冬季モンスーンに伴う風が強かった証拠が見いだされた。また洞窟の石筍からは、これらの時期の夏季モンスーンが弱かったことが示唆されている。こうした反相関は、熱帯収束帯の移動によって最もよく説明できると考えられる。熱帯収束帯の似たような移動は、西暦700〜900年に中央アメリカでみられ、この時期に地球規模の気候変化が起こったと考えられる。時期的な一致を考えると、熱帯降水帯のこのような移動は、中国の唐王朝と中央アメリカの古典期マヤ王国の衰退にかかわっていたかもしれない Full Text PDF 目次へ戻る