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遺伝:ショウジョウバエにおけるヌクレオチドおよびゲノム当たりの有害突然変異率の直接的な推定

Nature 445, 7123 doi: 10.1038/nature05388

自然突然変異は進化に必要な遺伝的変動の供給源であり、したがって進化生物学のさまざまな面において重要である。例えば、ゲノム内で中立的な進化をしている部位にみられる分類群間の相違の程度は、ヌクレオチド当たりの変異率uに比例するので、分子時計を想定することにより、これを使って種分化の起こった時期が特定できる。ゲノムの各世代における有害突然変異の総発生率(U)は、ヌクレオチドの相違と多型、性と組み換えの進化、同系交配が進化にもたらす影響などの理論に登場する。しかし、UをアロザイムやDNA塩基配列、適応形質の変化に基づいて算出しても、一致した値が得られない。今回我々は、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の3種類の突然変異蓄積系統由来のDNAについて、変性高速液体クロマトグラフィーを用いて2,000万塩基を詳しく調べることにより、uを直接見積もった。検出した37の変異事例から、世代当たりのuを平均8.4×10-9と算出した。また、3種類の突然変異蓄積系統の遺伝子型の間で、uに著しい不均一性が認められた。ショウジョウバエの自然個体群における有害突然変異の割合とuを掛け合わせることにより、ショウジョウバエのUは二倍体ゲノム当たり1.2と算定された。このような高い確率から示されるように、有害突然変異を排除する選択は、ゲノムの遺伝的変動パターンを説明するうえで非常に重要であり、組み換えや有性生殖を維持するのに役立っている可能性がある。

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