Letter ネアンデルタール人における臼歯の成長過程 2006年12月7日 Nature 444, 7120 doi: 10.1038/nature05314 成長と発達は、人口構造と生活史戦略の両方にとっての基本要素である。これらは、成長時期に関する情報と共に、ネアンデルタール人の絶滅の解明を進めるために基本的に役立つ。霊長類の臼歯の発達は生活史の進化を非常によくなぞっており、歯の組織構造からは、歯冠や歯根の成長時期のみならず出生の記録も明らかになる。現在は高解像度マイクロCTを使って、胎児期の発生初期に決まる永久歯の形態の複雑な構造を画像化して微妙な違いを見つけ出すことが可能である。今回我々は、ネアンデルタール人の臼歯の歯冠および歯根の完成する時期が、現生人類で知られるそれらの時期と一致するものの、ネアンデルタール人のほうがエナメル象牙境の形態がより複雑であり、歯根伸長速度のピークが遅いという点で両者に違いがあることを示す。前歯表層のみに基づいたネアンデルタール人の成長についての従来の予想は、どうしても推論の域を出なかった。今回のデータは、臼歯の内部微小構造をとらえた最初のものである。これらのデータをみると、ネアンデルタール人の生活史の重要な変数は、現生人類において知られる変数の範囲内に確実におさまっている。 Full Text PDF 目次へ戻る