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神経膠腫の幹細胞はDNA損傷応答を選択的に活性化することにより放射線耐性を促進する

Nature 444, 7120 doi: 10.1038/nature05236

電離放射線は、ヒトの悪性腫瘍の中で最も悪性度の高いものの1つである神経膠芽腫(世界保健機関診断基準のグレードIVに分類される神経膠腫)の最も効果的な治療法である。しかし、神経膠芽腫には放射線耐性が生じるため、放射線療法は緩和療法にしかならない。腫瘍に放射線耐性が生じる仕組みは解明されていない。今回我々は、がん幹細胞がDNA損傷チェックポイント応答を選択的に活性化してDNA修復能力を高めることを介して、神経膠腫の放射線耐性獲得に寄与することを明らかにする。CD133(プロミニン-1)は神経幹細胞と脳腫瘍幹細胞両方のマーカーだが、放射線照射後の神経膠腫では、CD133を発現する腫瘍細胞の割合が増加する。細胞培養でも、免疫不全マウスの脳でも、CD133を発現する神経膠腫細胞は、CD133をもたないほとんどの腫瘍細胞に比べて、電離放射線を受けても生き残る割合が高い。ヒト神経膠腫の異種移植片と原発性神経膠芽腫から単離したCD133を発現する腫瘍細胞は、どちらも放射線照射に応じてDNA損傷チェックポイントが選択的に活性化し、CD133陰性腫瘍細胞よりも、放射線によるDNA損傷を効率よく修復する。また、CD133陽性の神経膠腫幹細胞の放射線耐性は、Chk1、Chk2チェックポイントキナーゼの特異的阻害剤によって元に戻る。これらの結果が示すように、CD133陽性細胞は神経膠腫の放射線耐性を引き起こす細胞集団であり、放射線照射後の腫瘍の再発はこれに由来する可能性がある。がん幹細胞のDNA損傷チェックポイント応答を標的にすれば、放射線耐性を克服できる可能性があり、悪性の脳腫瘍の治療モデルになるだろう。

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