Letter

保存されたヒトの非コード配列についてのin vivoでのエンハンサー分析

Nature 444, 7118 doi: 10.1038/nature05295

遺伝子発現を空間的および時間的に制御する配列を同定し、in vivoでその機能を決めることは、いまだに脊椎動物ゲノムの注釈づけにおける重要な努力目標である。大きな障害の1つは、実験的に有効性が認められたtraining setがないことである。今回我々は、遺伝子調節配列を同定するために進化上非常によく保存された塩基配列をフィルターとして用いて、遺伝子調節要素と思われるものを同定し、ヒトとトラフグ(Takifugu rubripes)で保存されている、あるいはヒトとマウスとラットで極めてよく保存されているヒトゲノム中の多数の非コード配列の、in vivoにおけるエンハンサー活性の特徴を明らかにした。これらの167の極めてよく保存された塩基配列について、トランスジェニックマウスでのエンハンサーアッセイを行った。本論文では、これらの塩基配列の45%が、11.5日齢の胚で遺伝子発現の組織特異的エンハンサーとして再現性よく機能したことを報告する。75のエンハンサーの大半が、胚のさまざまな解剖学的構造で幅広く発現を促進する一方で、発生中の神経系のさまざまな領域に働いて遺伝子発現を促進した。これらの中で前脳での発現を標的とするグループに多くみられる塩基配列の特徴を明らかにし、これを使って、ヒトとフグで保存されているヒトゲノム中の3,100の非コード配列すべてをランクづけした。このランクづけで上位になったエンハンサーと推定される配列をトランスジェニックマウスの系で調べたところ、前脳でエンハンサー活性をもつ塩基配列の割合が3倍に増加した。これらのデータによって、in vivoで性質が確認されたヒトのエンハンサーが大幅に増加した。また、このようなtraining setがヒトゲノムの調節要素の解明をはじめ、生物学的なさまざまな応用に有用であることが明らかになった。

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