Letter 2個のDNA分子の操作によって判明した、H-NSタンパク質による細菌クロマチンの組織化 2006年11月16日 Nature 444, 7117 doi: 10.1038/nature05283 原核生物と真核生物のどちらにもDNAを架橋するタンパク質が存在し、調節機能や構造を支える機能を果たしている。こういったタンパク質についての詳しい分子的性質や力学的性質を知ることはむずかしく、非特異的結合をする場合には特に困難である。細菌の核様体は何百ものDNAループからできていて、これらを形作る働きは、ヒストン様核様体構造タンパク質(H-NS)、ロイシン応答性調節タンパク質(Lrp)、SMC(染色体構造維持)タンパク質などの非特異的DNA架橋タンパク質によっても担われている。我々は、2個のDNA分子をそれぞれ独立に扱える光ピンセットを開発した。これを使えば、タンパク質を介したDNA-DNA相互作用を系統立てて調べることができる。本論文では、この技術を使って、豊富に存在し、非特異的に核様体に結合するタンパク質H-NSについて調べ、H-NSが2個のDNA分子の間にそのらせんのピッチに合わせて動的に配置されていることを明らかにした。この光ピンセットを用いると、非特異的なDNA結合タンパク質について動的分子間力分光法解析を行うこともでき、H-NSとDNAの相互作用のエネルギー状態を決定できる。細菌の核様体が効果的に凝縮、組織化されていながら、その性質は動的で、DNA上を動く酵素が近づけるようになっている仕組みが、今回の結果から説明できる。今回の実験手法は、ほかのDNA架橋タンパク質にも、また複数のDNA分子が関係する複雑なDNA相互作用にも広く応用できる。 Full Text PDF 目次へ戻る