Letter

リボソーム上でのメッセンジャーRNAの移動の構造的基盤

Nature 444, 7117 doi: 10.1038/nature05281

翻訳の開始は、遺伝子の発現レベルを決定する大きな要因の1つである。正常に機能するタンパク質の翻訳には、開始コドンが正しい読み枠で最初に読み取られるように、メッセンジャーRNAがリボソーム上に正しく配置される必要がある。翻訳のさまざまな段階におけるリボソームと、mRNAの相互作用の分子基盤についてはほとんど解明されていない。最近、リボソームのサブユニットや、何も結合していない空の70Sリボソームおよび機能をもったリガンドを含む70SリボソームのX線結晶構造が解明され、リボソームの基本構造とその機能中心についての情報が得られた。本論文では、翻訳開始と開始後、それに鎖伸長段階にあたる8種類のリボソーム複合体のX線結晶構造を比較した。翻訳開始時と開始後の複合体では、シャイン・ダルガーノ(SD)二本鎖が存在してmRNAとリボソームの間に多数の相互作用が作られ、mRNAの5′末端をリボソームの30Sサブユニット上の土台となる面にしっかりと止めつける。これとは逆に、SD配列による相互作用が生じない「伸長型」mRNAの5′末端は自由に動きやすく、伸長の際にはmRNAに別の出口があることが考えられる。翻訳開始後だがSDとの相互作用がまだ存在する段階では、mRNAは3′→5′方向に時計回りに回転しながら動き、SD二本鎖を引き伸ばして、SDをリボソームタンパク質S2と接触させる。

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