Letter タンパク質–タンパク質会合における一時的出会い複合体の可視化 2006年11月16日 Nature 444, 7117 doi: 10.1038/nature05201 多数のタンパク質–タンパク質会合についての速度論的データから、まず前平衡出会い複合体(encounter complex)が作られ、その後にそれが緩和して、最終的な立体特異的複合体が生成するという証拠が得られている。部位特異的突然変異誘発とブラウン動力学シミュレーションにより、会合速度は直接相互作用表面以外の電荷分布の摂動によって調節されうることが示唆されている。さらに、次元低下、または短距離の非特異的引力ポテンシャルの存在により、非特異的結合による速度増加が起こりうる。今回我々は、常磁性緩和増強を用い、酵素Iのアミノ末端ドメインとリン酸基転移タンパク質であるHPrの間の比較的弱いタンパク質–タンパク質会合について、平衡条件下で形成される一時的で非特異的な出会い複合体の存在を直接示し、また、その集合体の分布を可視化した。立体特異的複合体だけでも、取りうるコンホメーションのいずれでも、分子間常磁性緩和増強データを完全には説明できない。常磁性緩和増強データに対してrestrained rigid-body simulated annealing refinementを施すことにより、非特異的出会い複合体の集合体の原子確率分布マップを得ることができた。これは、相互作用しているタンパク質上の静電表面ポテンシャルと定量的に相関している。ほかの2つのタンパク質–タンパク質複合体についても、定量的に同様の結果が得られている。 Full Text PDF 目次へ戻る