Letter

ハーフメタリックなグラフェン・ナノリボン

Nature 444, 7117 doi: 10.1038/nature05180

ハーフメタルとして知られる材料群では、一方のスピン配向をもつ電子による金属性とそれらとは逆のスピン配向をもつ電子による絶縁性が共存する結果、電流は完全にスピン偏極しうる。異なるスピンによるこうした非対称電子状態の存在は、例えばホイスラー化合物などの一部の強磁性金属で予測されており、マンガンペロブスカイトで初めて観察された。この特性はスピン利用エレクトロニクスの実現に使えると考えられるところから、ハーフメタル材料の探索には相当な努力がなされてきている。しかし、カーボン系ナノ構造体が将来の電子デバイスとして非常に有望であるにもかかわらず、これに関連した有機材料の研究はほとんどなされてこなかった。今回我々は、第一原理計算を利用して、ナノメートルスケールのグラフェンリボンにおけるハーフメタル特性を予測し、グラフェン・ナノリボンのジグザグ形状の両端に面内均一電場が印加されるとこの現象が実現可能であること、並びにその磁気特性が外部電場によって制御可能であることを示す。今回の結果は、固体の電子スピン自由度と電場の相互作用という点が科学的に興味深いばかりでなく、グラフェンを使ったナノメートルスケールでのスピントロニクスの探究へ新たな道を開く可能性もある。

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