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細胞:クモ毒はカプサイシン受容体を活性化して炎症性の痛みを引き起こす

Nature 444, 7116 doi: 10.1038/nature05285

有毒生物に咬まれたり刺されたりすると、痛みや炎症が引き起こされることがあるが、それは、有毒生物が捕食者や競争者を撃退するための防衛戦略の1つである。毒の致死作用の原因となる分子については詳細に解明されてきたが、毒が痛みを引き起こす機序については十分には解明されていない。クモ、ヘビ、イモガイ、あるいはサソリの毒には、受容体やチャネルの活性化を阻害する薬理作用のあるペプチド毒素が含まれており、それら毒素は、ショック、麻痺、または死を引き起こす原因となる。我々は、これらの毒に、哺乳類の体性感覚ニューロン上の興奮性チャネルを抑制するのではなく活性化して、侵害性の感覚を引き起こす毒素も含まれているかどうかを調べた。本論文では、西インド諸島原産のタランチュラの毒が、痛覚経路の知覚ニューロンに発現している興奮性チャネルであるカプサイシン受容体(TRPV1)を標的とする3種類のICK(inhibitor cysteine knot)ペプチドを含むことを明らかにする。ICK毒素の主な役割がチャネル阻害剤であるのとは対照的に、これまで知られていなかったこれらの「バニロトキシン(vanillotoxin)」はTRPV1作動薬として機能するため、TRPチャネルの開閉機構を解明するための新たな手法になる。また、バニロトキシンの中には、電位依存性カリウムチャネルも阻害するものがあることから、TRPチャネルと電位依存性チャネルの構造に類似性が存在する可能性が支持される。今回、TRPチャネルがペプチド毒素の標的の仲間入りをしたことで、植物(例えば、トウガラシ)と同様に、動物も知覚神経繊維上のTRPチャネルを活性化することによって痛みや炎症を誘発して、捕食者を退けることが示された。

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