Letter 構造生物学:CRIgと複合体を形成しているC3bの構造は補体活性化の調節を解明するための手がかりとなる 2006年11月9日 Nature 444, 7116 doi: 10.1038/nature05263 補体系は自然免疫系における重要な構成要素であり、血流からの病原体の排除に必要である。病原体への曝露後、補体系の第3成分C3は、C3bへと分解され、B因子が動員された後に、第2経路における転換酵素の生成を開始させる。マクロファージ上に発現する補体レセプターであるCRIgは、粒子の食作用を媒介するC3bおよびiC3bに結合するが、どのようにしてCRIgが選択的にタンパク質分解を受けたC3フラグメントを認識するのか、そして、CRIgのC3bへの結合が転換酵素の活性化を抑制するか否かは不明である。本論文では、CRIgと複合体を形成しているC3bの結晶構造を示し、そしてCRIgの変異体を用いて、CRIgが補体の第2経路の阻害物質として作用する証拠を明らかにする。この複合体の結晶構造によって、C3の活性化は、C3bが病原体表面と付着する部位であるチオエステル結合含有ドメインの著しい移動(>80 Å)を含む、大きな構造再編成を引き起こすことが示される。我々は、CRIgが食作用の受容体であるだけではなく、第2経路の転換酵素に対する強力な阻害物質でもあることを示す。この結晶構造は、補体の活性化および抑制に際して起こる、複雑な巨大分子の構造再編成を解明する手がかりとなる。さらに、補体活性化の構造的基盤とCRIgによる転換酵素の抑制方法とを関連づける今回の構造-機能研究は、補体を標的とする治療薬の開発のための重要な手がかりも与える。 Full Text PDF 目次へ戻る