Letter 構造生物学:C3bの構造は補体活性の基礎となるコンホメーション変化を明らかにする 2006年11月9日 Nature 444, 7116 doi: 10.1038/nature05172 哺乳類においては、感染に対する抵抗性や細胞断片の除去は、補体系の活性化に依存している。補体系は、自然免疫および適応免疫の重要な構成要素である。補体系の中心となるのはC3bとよばれる活性型C3で、C3bは標的の表面に共有結合によって付着した後、補体反応を増幅したり、細胞が貪食されるための標識となったり、あるいは適応免疫反応を刺激したりする。C3bは1,560のアミノ酸残基から成り、12のドメインをもっている。C3bは、その機能を果たすために、さまざまなタンパク質や受容体と結合する。しかし、C3がどのようにコンホメーションを変化させてC3bになるのか、またその結果、多くの結合部位をどのように露出させるようになるのかはわかっていない。本論文では、活性型補体タンパク質C3bの分解能4 Åでの結晶構造を示し、タンパク質分解によって活性化される際に起こる12のドメインのコンホメーションの再編成について記載する。活性型においては、チオエステルが完全に露出し、標的の表面に共有結合により付着できるようになっている。活性型におけるチオエステルの位置は、活性化前のC3において埋め込まれているチオエステルの位置から85 Å以上離れている。α鎖におけるドメインの著しい再編成によって分子表面が変化し、その結果、B因子やいくつかの補体調節因子において結合部位と考えられている既知の部位と合致する、隠れて埋め込まれていた部位が露出する。構造に関するデータから、タンパク質分解による活性化におけるコンホメーションの大きな変化、およびC3の調節は、主に最初の転換段階、すなわち、C3からC3bへの転換段階において起こることが示される。これらの結果は、補体媒介性の炎症がかかわる免疫性疾患の治療戦略を開発するために重要な手がかりとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る