Letter

物理:放射圧によるマイクロミラーの自己冷却

Nature 444, 7115 doi: 10.1038/nature05273

メカニカル共振器の冷却は、超高精度測定や重力波の検出、および力学系における古典的なふるまいと量子的なふるまいの間の遷移に関する研究など、多数の物理学分野で最近よく話題になっている。本論文では、高フィネスの光共振器内部で、放射圧によるマイクロミラーの自己冷却を観測した結果を報告する。この現象の本質は、このミラーの熱振動が原因となって起こる共振器の離調による強度変化が、ミラーの振動運動から低エントロピーの共振器場へのエントロピー流を生じるメカニズムになることである。放射と機械運動の結合が極めて重要になるが、これは、低い質量(m ≈ 400 ng))と高い反射率(99.6%以上)、および高い機械的特性(Q ≈ 10,000)の自立したマイクロミラーの作成により実現した。この機械振動子が元の温度の1/30以下まで、すなわち室温から10 K以下まで冷却されるのが観測された。この冷却には、純粋な光熱効果に加えて、放射圧が重要なメカニズムになることがわかった。今までの実験とは異なり、この手法では能動的フィードバックを行う必要がない。この方法を改良すれば、1,000を超える冷却比が可能であり、その結果、マイクロミラーをその量子力学的基底状態まで冷却することが可能になると考えられる。

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