Letter 環境:希少脊椎動物および絶滅に瀕している脊椎動物の地球規模の分布と保全 2006年11月2日 Nature 444, 7115 doi: 10.1038/nature05237 地球規模での保全戦略では、多様性の地理的パターンが異なる分類群間で一致すると仮定し、したがって保全に関する決定を行う際、ある分類群内の絶滅しやすい種の分布はほかの分類群の脆弱な種でも代用できると仮定することが普通である。しかしながら、これまで行われた検証は地理的にも分類学的にも範囲が限られており、この仮定が妥当かどうかは、いまだ明らかでない。今回我々は、19,349種に及ぶ現生の鳥類・哺乳類・両生類の地球規模の分布に関するデータベースを用い、これらのグループ間では全般的な種の豊富さの分布は類似しているが、希少種および絶滅に瀕している種の分布にみられる一致度は、それに比べて著しく低いことを示す。極めて希少な種では、特に一致度が低かった。分類群間での一致度はスケールに大きく依存する。実際の保護区域のような細かい空間解像度では、特に一致度が低かった。それゆえ、種の相補性を最大にするように地域を選んだ場合でも、希少性や絶滅の脅威に関する「ホットスポット」は、分類群間でほとんど重複しない。全体として我々の結果は、「特効薬」的な保全戦略だけでは、効果的な保全対策を導けないことを示している。むしろ、生物多様性を保全するための優先地域の特定は、複数の分類群から得た高解像度データに基づくべきである。 Full Text PDF 目次へ戻る