Letter 材料:粉末回折法と電子顕微鏡法を組み合わせることにより解明された複雑なゼオライト構造 2006年11月2日 Nature 444, 7115 doi: 10.1038/nature05200 セラミックスから触媒さらには医薬品に至るまで、工業的に重要な材料の多くは多結晶であり、これを大きな単結晶として成長させることはむずかしい。このことは、これらの材料の特性を理解するうえで重要な構造情報を得るために、非従来的な構造解析法を適用しなければならないことを意味する。電子顕微鏡法は、最も有力な方法のようにみえるかもしれないが、これまでこの方法で解明されたのは比較的単純な構造だけである。粉末回折法は、もう1つの当然の選択肢であるが、近い回折角をもつ反射どうしの重なりが、それらの反射の相対強度にあいまいさをもたらす。この問題を克服または回避するさまざまな方法が開発されており、そのうちのいくつかは、化学的情報が構造決定プロセスに組み入れられたものである。複雑なゼオライト構造の場合、FOCUSアルゴリズムが有効であることが判明している。このアルゴリズムは実空間と逆空間の両方で機能するので、高分解能透過型電子顕微鏡像から得られた位相情報を、簡単な方法で直接このアルゴリズムに組み入れることができる。今回我々は、この方法により解きうる構造の複雑さの限界が、さらに拡張できることを示す。24個の(Si,Al)原子と52個のO原子を非対称要素としてもつゼオライトTNU-9(|H9.3|[Al9.3Si182.7O384])の構造を解明して、この方法が有力であることが証明された。比較のために挙げたITQ-22は、これまでに知られている最も複雑なゼオライトで、16個の(Si,Ge)原子を非対称要素としてもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る