Letter
生物情報学:抗菌ペプチドの合理的設計のための言語学的モデル
Nature 443, 7113 doi: 10.1038/nature05233
抗菌ペプチド(AmP)は、多細胞真核生物の自然免疫系が細菌感染を防ぐために使われる小型のタンパク質である。このようなペプチドは、従来の抗生物質に比べて耐性が生じにくく、新しい種類の治療薬の基盤となる可能性があることを示す証拠は増えつつある。今回我々は、黄色ブドウ球菌や炭疽菌など、数種類の細菌に対して強い静菌作用をもちながら、天然に存在するタンパク質と限定的な相同性しかもたない、新しいAmP の合理的設計について報告する。これらのペプチドは、天然に存在するAmP の言語学的モデルを使って設計された。天然のAmP のアミノ酸配列を形式言語として扱い、この言語を記述する規則的な文法体系を組み立て、これを用いて、天然にはない新しいAmP 配列を作り出したのである。我々が作ったペプチドは、天然抗菌ペプチドの構文の型にのっとっているが、タンパク質アミノ酸配列のこれまで調べられてこなかった領域に踏み込んだものである。

