生化学:一本鎖DNA 分子上に形成されるRecA フィラ メントの直接観察
Nature 443, 7113 doi: 10.1038/nature05197
大腸菌のRecA は、相同的組み換えによるDNA 二本鎖切断の修復に不可欠である。修復には、RecA 核タンパク質フィラメントの形成を必要とする。これまでの研究から、DNA上でRecA タンパク質がゆっくりと核を形成し、その後、急速に伸長するというフィラメント形成の機序が示されている。しかし、核形成と伸長の速度およびATP 加水分解の関与を含めて、この過程の多くの面は依然として不明であり、それは主に1 本のフィラメントのレベルで可視化されていないことによる。今回我々は、蛍光修飾したRecA を用い、1個の二本鎖DNA 分子上でのフィラメント形成を直接観察したので報告する。核タンパク質フィラメントはDNA を飽和させ、1.6 倍伸長させる。早い時点では、ecA のクラスターは分散しており、それぞれの核から1 本のフィラメントの伸長が解析できる。新たなRecA フィラメントの形成はATP 加水分解に依存しないが、ヌクレオチド補因子の種類およびRecA の濃度に依存することから、核形成には4 ~ 5 個のATP-RecA モノマーのDNA への結合が関与することが示唆される。それぞれのRecA フィラメントは、3~10nmsー1 の速度で伸長する。伸長は双方向的であり、核形成とは対照的にヌクレオチド補因子には無関係で、1 秒あたり2~7 個のモノマーが付加されると考えられる。以上の結果は、広範な遺伝的、生化学的研究結果と一致し、in vivo での形成は核形成段階で制御されることを示している。我々は、今回の手法と結論は、真核生物でのホモログであるRad51および構築補助因子による調節にまで拡張できるだろうと考えている。

