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細胞:ヒトインスリン分解酵素の構造から明らかになった新たな基質認識機構
Nature 443, 7113 doi: 10.1038/nature05143
インスリン分解酵素(IDE)は、Zn2+ メタロプロテアーゼで、インスリンとアミロイドβの除去にかかわっている。げっ歯類でのIDEの機能喪失型変異は、グルコース不耐とアミロイドβの脳への蓄積を引き起こすが、IDE活性の増強は、脳アミロイドβを実質的に減少させる。今回我々は、ヒトIDE と4 種の基質(インスリンB 鎖、アミロイドβペプチド(1-40)、アミリン、グルカゴン)との複合体の構造を報告する。IDE のアミノ末端ドメイン(IDE-N) とカルボキシ末端ドメイン(IDE-C)は、インスリンを閉じ込めるのに適した大きさの閉じたかごを形成する。IDE-NとIDE-C の接触範囲は広く、基質がIDE の分解チャンバーに近づけないようにしている。 IDE のドメインの再配置により、基質は触媒空洞に接近できるようになる。IDE は、さまざまな構造のポリペプチドを選択的に取り込むために、基質結合空洞の大きさと電荷分布を使っている。閉じ込められた基質は、分解に際してコンホメーション変化を起こしIDEの2 つの離れた領域とβシートを形成する。IDE-N とIDE-C の接触を壊す変異によりIDEの触媒活性が40 倍にも上昇することは、このモデルと一致する。IDE の基質認識とアロ ステリック調節の分子基盤は、脳アミロイドβと血中糖濃度を制御するためのIDE に基づく治療薬の設計に役立つだろう。

