Letter

進化:細胞周期に応じた転写調節と翻訳後調節の共進化

Nature 443, 7111 doi: 10.1038/nature05186

DNAマイクロアレイによる研究で、ヒトや出芽酵母、分裂酵母、シロイヌナズナの有糸分裂細胞では、細胞周期の間に数百もの遺伝子が周期的に転写されていることが明らかになった。本論文では、これらの転写過程にかかわるタンパク質複合体がすべての真核生物でほとんど同じであるにもかかわらず、転写の調節にはかなりの程度の進化が認められることを明らかにする。大規模なデータ群をいくつか比較解析した結果、各タンパク質複合体の調節されているサブユニットは複合体が活動する直前に発現されることがわかったが、どういったタンパク質が周期的に発現されるかは、生物によって大きく違っていた。また、このような転写調節の変化が、いくつかの系統でそれぞれ別個に翻訳後調節と共進化してきたことが明らかになった。細胞周期に応じて調節される特定遺伝子の転写の増大や低下は、その遺伝子がコードするタンパク質のリン酸化状態の変化を反映している場合が多い。これらの結果から、細胞周期の適切な時点で同じ分子装置を組み立てるために、多数の異なった解決策が進化してきたことや、これらの解決策には転写の段階と翻訳後の段階の両方がかかわっていて、生体系の動態を共同で制御していることがうかがわれる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度