Letter

地球:中央海嶺の玄武岩供給源における沈み込みによって富化したマントルの存在を示唆するリチウム同位体の証拠

Nature 443, 7111 doi: 10.1038/nature05144

上部マントルにおける組成上の不均一性は、長い間、沈み込みによって地表からマントルへ戻る「再循環された」地殻物質が原因であるとして説明されてきた。しかし、このモデルには問題があることが、次第に指摘されるようになってきている。再循環の結果として始原的なマントル由来物質でだけ著しい変動がみられると考えられる安定同位体比を用いれば、この問題は最終的に解決できるはずである。本論文では、東太平洋海膨で得られた玄武岩におけるリチウム同位体比には顕著な幅があり、マントルの不均一性の従来の指標(例えば143Nd/144Nd 比)と相関すること示すデータを報告する。通常の海嶺セグメントから得られたメルトにおける安定同位体と放射性同位体のこのような共変動は、上部マントルに化学的な不均一性が生じるには、再循環された物質が重要であることの決定的な証拠となる。しかし多くのモデルに反して、東太平洋海膨の「富化した」溶岩でのリチウム同位体比の上昇は、沈み込んだ海洋地殻が富化の要因ではないことを示唆しており、沈み込み帯に存在していた間に富化し流体によって変成したマントルが、上部マントルへ戻って混入した結果、組成上の変動が起きたと考えられる。

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