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量子情報科学:光と物質との間の量子テレポーテーション
Nature 443, 7111 doi: 10.1038/nature05136
量子テレポーテーションは分散型量子ネットワークの重要な要素であり、量子コンピューターの基本操作としても機能しうる。テレポーテーションは最初、光のある量子状態を別の光ビームへ伝送する実験で実証された。その後の展開では光リレーが使われ、連続量のエンタングルメントスワッピングが実証された。2 個の単一物質粒子(トラップされたイオン)間の量子状態テレポーテーションも現在実現している。本論文では、各々、「飛行している」媒体と「静止している」媒体にあたる光と物質という、異なる性質をもつ物体間のテレポーテーションを実証した。光パルスに符号化した量子状態を、巨視的な物体(1012 個のセシウム原子から成る原子集団)へとテレポートした。平均光子数(n)が最大数百個に達するコヒーレント状態の集合に対して、決定論的なテレポーテーションが実現した。そのフィデリティはn=20 のとき0.58 ± 0.02、そして、n=5 の とき0.60 ± 0.02 になった。これは、古典的な状態伝送法で実現可能な結果よりもはるかに高い。巨視的な原子集団を使ったテレポーテーションは基礎学的に興味深いだけでなく、量子中継器の実現にもかかわる可能性がある。量子ネットワークの実現に重要な因子は、送信者と受信者との間のテレポーテーション距離だが、本実験ではこれは0.5 メートルである。今回の実験では、伝播する光を使って、テレポーテーションに必要な光と原子のエンタングルメントを実現したが、この方法はもっと長い距離まで拡張が可能である。

